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外国人の年金・脱退一時金完全ガイド【帰国時の請求方法2026】

公開 2026.06.04 ・ 最終更新 2026.08.17 | 運営:株式会社MRI|執筆・確認:在日ライフナビ編集部(編集方針)
📌 この記事のポイント
  • 日本で働く外国人も、国民年金・厚生年金を支払います。
  • 帰国する際に、脱退一時金として支払った一部の返金を請求できます。
  • 受給条件・申請方法・受給額の目安を解説しています。

日本で働いた外国人は国民年金・厚生年金を支払いますが、帰国する際に脱退一時金として一部返金を受けられます。年金は社会保険の一部として会社員は厚生年金に、個人は国民年金に加入します。

① 脱退一時金とは

日本の年金(国民年金・厚生年金)に加入していた外国人が帰国する際に受け取れる一時金です。支払った年金保険料の一部が返金されます。

💡 申請期限日本出国後2年以内に申請が必要です。期限を過ぎると受け取れません。

② 受給条件

  • 日本国籍を持たない外国人
  • 国民年金・厚生年金の保険料を6ヶ月以上納めていること
  • 日本に住所がないこと(出国後)
  • 老齢年金の受給資格期間(10年)を満たしていないこと

なお、40歳以上の方は年金保険料とは別に介護保険料も納付しています。脱退一時金の申請と合わせてご確認ください。

参考として、2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は月額17,920円です。受給資格期間(10年以上)を満たすと65歳から老齢基礎年金を受け取れます(40年間納めた場合の満額は2026年度で月額7万608円)。10年を満たさずに帰国する場合に、脱退一時金の対象になります。

③ 申請方法

  1. 日本を出国する(役所で住民票の抹消)
  2. 日本年金機構に「脱退一時金裁定請求書」を郵送
  3. 審査後(約2〜3ヶ月)、指定口座に振込

④ 受給額の目安(厚生年金の場合)

加入期間受給額(月給20万円の場合)
6ヶ月約10万円
1年約22万円
3年約66万円
5年(60か月)約110万円

※平均標準報酬額を月20万円(賞与を含まない)・厚生年金保険料率18.3%として計算した目安です。賞与がある場合や給与が高い場合はさらに増えます。実際の金額は日本年金機構でご確認ください。

💡 上限が5年から8年に引き上げ令和7年度の年金制度改正法(2025年6月20日公布)で、脱退一時金の計算に用いる月数の上限を5年(60月)から8年(96月)へ引き上げることが決まりました。ただし、この規定の施行日は法律上「公布から4年を超えない範囲内で政令で定める日」とされており、2026年8月時点ではまだ政令で確定していません。日本年金機構の公式案内でも2026年8月時点で上限は60月(5年)のまま案内されています。8年(96月)が実際にいつから適用されるかは、請求時に日本年金機構の最新情報で必ず確認してください。「2026年4月1日」は、この脱退一時金の改正の施行日ではなく、同じ法律に含まれる別の制度(在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げ)の施行日です。混同しないようご注意ください。
⚠️ 税金について脱退一時金には20.42%の税金が源泉徴収されます。租税条約がある国の方は確定申告・税金ガイドを参考に還付を受けられます。

脱退一時金や税の還付金を日本国内で受け取る場合は、銀行口座が必要です。

⑤ あなたはどのケース?納付期間別の扱い早見表

脱退一時金を検討する前に、まず自分がどのケースに当てはまるかを確認しましょう。

加入期間・状況扱い
国民年金・厚生年金とも6か月未満脱退一時金の対象外(要件未達)
6か月以上〜10年未満(老齢年金の受給資格期間を満たさない)脱退一時金を請求できる場合がある(出国後2年以内)
10年以上(老齢年金の受給資格期間を満たす)脱退一時金は対象外。将来、老齢年金を受け取れる場合がある
過去に障害基礎年金等の受給権を得たことがある脱退一時金の対象外
転出届を出さずに(住民票を残したまま)出国中「日本国内に住所を有しない」要件を満たさないため、現行制度では請求できません(請求可能期間の2年は転出日の翌日から起算)。なお2025年の改正法では再入国許可の有効期間中の請求を制限する規定が新設されますが、2026年8月時点で未施行です(⑥参照)

出典:日本年金機構「脱退一時金の制度」同 Q&A(短期在留外国人の脱退一時金)

⑥ 支給上限の引き上げの経緯

脱退一時金の計算に使う月数には上限があります。2021年4月の制度改正で、この上限が36か月(3年)から60か月(5年)に引き上げられました。最後に保険料を納付した月が2021年4月以降の方が対象です(2021年3月以前のみの加入では旧上限の36か月が適用されます)。この改正は、特定技能1号の新設で最長在留期間が5年になったことなどが背景です。

出典:日本年金機構「脱退一時金の支給上限引き上げ」FAQ

⚠️ 同じ改正で追加される新しい制限:再入国許可の有効期間中は請求不可に令和7年度の年金制度改正法では、脱退一時金についてもう一つ重要な変更が予定されています。出国時に再入国許可(またはみなし再入国許可)を受けている場合、その有効期間が満了するまでの間は脱退一時金を請求できないという制限が、条文に追加されることが既に決まっています(施行日は政令待ちです)。これまでも「住民票を抜かずに再入国許可で出国した場合は資格喪失とみなされず請求できない」という運用がされていましたが、今回の改正でこの取り扱いがより明確に法律の条文へ書き込まれる形になります。将来また日本で働く予定があり、再入国許可を得て一時的に出国する方は、その許可の有効期間が切れるまで請求できない点に注意してください。この規定の詳細な運用開始時期も、上記の8年への引き上げと同様に政令で今後定められる予定で、2026年8月時点では確定していません。請求前に必ず日本年金機構の最新情報をご確認ください。

出典:厚生労働省 年金制度改正(脱退一時金関連項目)同「在職老齢年金の見直しについて」(2026年4月1日施行はこちら)

⑦ 帰国後の年金通算・社会保障協定との関係

脱退一時金を受け取ると、その計算の基礎となった加入期間は、将来の年金加入期間の通算から除外(リセット)されます。日本と社会保障協定を結んでいる国の中には、両国の年金加入期間を通算できる国と、保険料の二重負担防止のみを目的とする国があります。

協定の種類該当する国の例
加入期間の通算が可能ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、スペイン、ブラジル、フィリピン など
保険料の二重負担防止のみ(通算なし)イギリス、韓国、中国、イタリア
⚠️ 通算できる国では慎重な判断を通算対象国の出身で、将来また日本で働く可能性がある場合、脱退一時金を受け取ると通算のメリットを失うことがあります。帰国前に、自国と日本どちらで老後の年金を受け取りたいかを考えてから請求するかどうかを判断することをおすすめします。

出典:日本年金機構「社会保障協定 協定国別ページ」(2026年8月時点の情報に基づく。協定の発効国・内容は今後追加・変更される場合があります)。

⑧ 請求手続きの必要書類・代理人請求

  • 脱退一時金裁定請求書(英語・中国語・ベトナム語など多言語の様式あり)
  • パスポートの写し(氏名・生年月日・国籍・署名・在留資格が確認できるページ)
  • 日本国内に住所を有しないことを証明する書類(住民票の除票等)
  • 受取口座を確認できる金融機関発行の証明書等
  • 基礎年金番号通知書または年金手帳

請求書は郵送のほか、電子申請(e-Gov)でも提出できます。請求書の提出からおおむね4か月程度で指定口座に振り込まれます。本人が日本を離れたあとでも、委任状を添えれば代理人による請求が可能です。

⚠️ 却下されやすいケース転出届を出さず住民票を残したまま出国している間は、「日本国内に住所を有しない」という現行の要件を満たさないため請求できません(2025年の改正法で予定されている再入国許可の有効期間中の請求制限は、2026年8月時点でまだ施行されていません)。また、出国後2年の請求期限を過ぎると請求権自体がなくなります。委任状を使って代理人に請求してもらう場合は、返戻書類の送付先を委任状に明記していないと手続きが滞ることがあります。

出典:日本年金機構「脱退一時金を請求する方の手続き」同「代理人による請求」FAQ

⑨ 「受け取らない」という選択肢との比較

加入期間が10年に近い方は、脱退一時金を請求せずに将来の老齢年金として受け取る選択肢も検討する価値があります。老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていれば、65歳から年金を受け取れます(40年間すべて納めた場合の満額は2026年度で月額7万608円。加入期間が短ければその分減額されます)。いったん脱退一時金を受け取ると、その計算に使われた期間は将来の年金加入期間の通算から除外されるため、後から取り消すことはできません。

💡 複数回に分けて日本で働く予定がある方へ技能実習・特定技能などで来日と帰国を繰り返す予定がある場合、そのつど脱退一時金を受け取ると、通算されるはずだった加入期間がその都度リセットされます。将来また日本で働く可能性がある方は、請求するかどうかを急いで決めず、日本年金機構の年金事務所・街角の年金相談センターに相談してから判断することをおすすめします。

脱退一時金は、請求のしかたや課税のあつかいによって手取り額が変わることがあります。帰国時の所得税の還付を含めた手取りの考え方は、姉妹サイト「在日マネーナビ」の脱退一時金の手取りを最大化する方法(帰国時の所得税還付込み)で解説しています。また、日本で働き続けて資産形成を考える方は、NISAで始める資産形成(外国人向け・口座開設と帰国時の扱い)もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q: 脱退一時金はいつまでに申請できますか?日本を出国してから2年以内に申請が必要です。期限を過ぎると受け取れなくなります。
Q: 脱退一時金はどのくらいもらえますか?加入期間・給与額により異なります。月給20万円(賞与なし)で5年(60か月)加入した場合、約110万円が目安です。令和7年度の年金制度改正法(2025年6月20日公布)で計算に用いる月数の上限を8年(96か月)へ引き上げることが決まりましたが、施行日は「公布から4年以内に政令で定める日」とされ、2026年8月時点ではまだ確定していません。日本年金機構の公式案内でも2026年8月時点で上限は60か月(5年)のままです。実際の上限は請求時に日本年金機構の最新情報でご確認ください。
Q: 国民年金でも脱退一時金はもらえますか?はい。国民年金でも6ヶ月以上加入していれば脱退一時金を受け取れます。ただし厚生年金より少額になります。

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出典・参考

※制度内容は変わることがあります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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